1.体で覚えた「克服法」~体験談~

しばちゃんのカウンセリングルームへようこそ!
私は、自分自身がパニック障害を克服した経験から、現在、PD(パニック障害)、SAD(社会不安障害)、GAD(全般性不安障害) など、心のとらわれに悩む方のためカウンセラーをしています。

では、私のパニック障害体験談をご紹介します。

私は、60年間での人生の中で、自分なりに努力したことが二度だけあります。
一度目は、昭和54年10月ごろに起きたある出来事です。
それは、私にとって25年間の甘えの心を打ち砕く出来事でした。

その出来事とは 婚約者の一家心中です。
婚約者の父親が経営する会社が倒産し、心中をはかったとの事でした。たまたま運がよく、最悪の状態は防ぐことができましたが、婚約者と父母兄姉は、それぞれ2ケ月~4ケ月の入院、治療となりました。幸い婚約者は一番軽傷でその後順調に回復し、私宛に書かれた遺書を見て彼女と一緒に住む決心がつきました。

家庭を持ち、私なりに精一杯の努力をし、がむしゃらに働きました。週末には婚約者の家族の病院をめぐり、退院後は婚約者の家族を引き取って一緒に暮らしました。その頑張りが度を過ぎたのかもしれません。それから2年後、「パニック障害」に陥ったのです。

営業の仕事をしていた時、昼食でとある蕎麦屋に入ったものの、 気分が悪くなり得体の知れない不安感に襲われ食べずに車に戻ったところ、過呼吸となり、救急車に運ばれたのです。 この過呼吸からどん底の生活が始まりました。
電車や自動車または食堂に入ると、 「鈍くて、重い、得体のしれない恐怖感」が何度もやってきたのです。

神経内科で診断してもらっても、「心身症」という病名だけをつけられ、治ることはありませんでした。病院で出された精神安定剤を飲み、合気道や自律訓練法、針治療など様々な事を試してみましたが、効果はありませんでした。なんとか、この不安感、恐怖感を払いのけようと努力しましたが、一向に去ってくれなかったのです。
この症状を抱え5年間を過ごしていましたが、ある日、さらに今までに経験したことのない、異常と恐怖を感じて外に出れなくなったのです、眠れなくなり、ほとんど食事もできなくなりました。1ヶ月であっという間に8㎏の体重が減り、体力も奪われました。

そんな時、やっと私の前に「森田」(森田療法)が現れたのです。 生活の発見会という全国組織の中に、私が人生で2度目に努力した「森田」がありました。
早速生活の発見会の会合に参加し、「これは病気ではない、そして感情は意のままにならない」と言われて、私は「病気ではない」にすごく感動し、そして安心しました。

その後、基本は「森田療法」+後は自分なりの動き方で、8年かけて元の状態に戻しました。この8年の努力の「行動」は私の人生を変えました。治った証として卓球を始め、それは現在も続けています。

症状克服後は、自分の体験を活かし、苦しんでいる「パニック障害」の人たちにアドバイスを送り続けています。29歳からの「パニック障害」経験があったからこそ、いろんな方法を身につけ、あらゆる角度から症状に対処出来るようになったのです。
現在、「NPO法人全国パニック障害の会」でピュアカウンセラー、個人では 「しばちゃんのカウンセリングルーム」を開設し、カウンセリングや講演会を行うなど、日々さまざまなクライアント、症状と対面しています。

まだまだ、薬だけでは治らない「パニック障害」の人達に、少しでも力になれるように 「今を生きる」そんな毎日を過ごしています。パニック障害は必ず良くなります!