全般性不安障害(GAD)

不安とは「気がかりな心の状態、安心できないさま」といいますが、それは誰もが感じるもので、不安を感じるからといって日常生活に支障をきたすことはあまりありません。
ところが、誰でも感じる程度をはるかに超える不安を持ちそれが元で日常生活に支障をきたしてしまう「不安障害」という病気があります、それがGADです。
GADも不安障害の中の一つであり、「特定の状況の限定されない、理由のさだまらない 不安や心配」が長時間続き、このような不安や心配に「こころやからだ」の症状が伴う 病気をいいます。

GADの性格特徴

・仕事や学業などの多数の出来事または活動について、過剰な不安と心配があるが、その原因は特定されたものでない。
・不安や心配を感じている状態が6ヶ月以上続いており、不安や心配がない日よりある日のほうが多く、不安や心配をコントロールすることが難しいと感じている。
・不安や心配の内容として、次の症状のうち3つ以上を持っている。

  1. そわそわと落ち着かない
  2. 緊張してしまう
  3. 過敏になってしまう
  4. 疲れやすい/集中できない
  5. 心が空白になってしまう
  6. 刺激に対して過敏に反応してしまう
  7. 痛や肩こりなど筋肉が緊張している
  8. 眠れない又は熟睡した感じがない

GADの患者さんが訴える症状

  1. 身体症状
    頭痛・頭重・頭の圧迫感や緊張感・自分の身体ではないような感じ・しびれ感・ 身体の悪寒や熱感・手足の冷えや熱感・寝つきが悪く途中で目が覚めやすい・全身に脈拍を感じる・便秘や頻尿・・など。

  2. 精神症状
    注意散漫な感じ・記憶力が悪くなる感じ・そわそわ感・朦朧感・根気がなく疲れやすい ・眩暈感・頭が揺れる感じ・イライラして怒りっぽい・船酔いしている感じ・些細なこと気になり取り越し苦労が多い・悲観的になり人に会うのが煩わしい・・など。

GADの治療法

  1. 薬物療法
    日本では、GADという病名で国からの承認されている薬はなく、抗鬱薬や抗不安薬などを用いて治療が行われている。
  2. 精神療法
    カウンセリング、認知行動療法、セルフコントロール法などがありますが、いずれも無意識に存在している「不安の根源」を探し、そのコントロールを目指すものです。