3.症状克服のためのヒント

心身に関わる病気は、本当は病気ではない

今はなんでもかんでも「鬱」「鬱っぽい」と、自分自身で言葉に出してしまうので、医者からみれば思う壺です。
「何となく憂鬱で、力が入らない」
「仕事もうまくいかないし、何か目標がないんです。」
医者から見れば、最高の患者です。

「そうですか?鬱っぽいですか?では、このSSRIや抗不安薬を出しておきましょう。 SSRIは夕方1錠、抗不安薬は朝1錠、と夕方1錠を飲んでください。 頓服のスラナックスは、症状の強い時に 1錠飲んでください。SSRIは3週間から4週間飲み続けてくださいね。効果がでませんから!」

本当の鬱病の人なら最適な出し方だと思いますが、軽いパニック障害の人、不安障害の人にはよけいに悪くなることもあるわけです。
薬がすべて悪いとは思いませんが、不安障害の人が薬で一時的によくなったとしても、 再び大きなストレスが来たら再発して、また多くの「薬」を投与されることになるのです。
それよりその「神経症」に対する考え方を正すだけで、今後一生、医者いらずになるのです。 そこのところを十分理解している人物に「相談」してほしいのです。

心療内科の看板を信用しない

昨今「心療内科」という看板をよく見ます。
内科、心療内科と看板を上げておけば、内科の薬以外にも当然精神薬も出せるわけです。
また精神科の後に「心療内科」文字を入れておくだけで、なんとなく入りやすいのです。
心療内科でも、診察時間の短い所とか薬をすぐにだすところは、やめたほうがいいと思います。 セカンドオピニオンとか言いますが、あなた自身が納得いく医者を選ぶまで探すべきです。

症状の過去を問わない

症状の過去を問わないというと、反発する人もいると思います。
お医者さんにははっきりと過去のことを言わないと「診断」も正確に出ないのではないかと思われると思いますが、今の症状の内容がどうであるかでいいと思います。
それではわからない時、医者は質問してくるのです。 この症状の過去を問わないという意味は、「あの時、こうしておればこんなにひどくならなかったんではないか?」「この症状さえなければなんでもできたのに?!」 などと、過去の話ばかりに気をとられていても仕方ありませんよということです。
いつまでも、症状にとらわれて生きていても仕方ありません。
症状は感じるもので仕方ないとあきらめて、そのまま放任して、仕事に励めば症状は薄らいでいくのです。そのことを体で感じてほしいのです。

自分を知ることが一番大切である

自覚(自分を知ること)は「神経症」のすべての人がよくなる条件です。自覚すれば、症状はよくなると言っても過言ではありません。
己を知る。自分の傲慢さを知り、 その反面の弱さを知り、調和していくのが大切です。
少しでも両面を知って症状にも「往生し」得た時、症状は消えています。

周りを見る

症状ばかりを見ていると周りが見えません。家の近所にきれいな野花が咲いていても、症状にとらわれていたら、わからないものです。
私も「パニック障害」のどん底の時には、どんな花が咲こうがまったくきづいていなかったのです。周りを見る。周りに目を持っていくことだけで、症状は軽くなるのです。
そんな簡単なことさえ、「とらわれ」ていると、わからないのです。

心は万境に従って転ずる。転ずる処実によくゆうなり。流れに従って性を認得すれば喜びもなく憂いもない

このことは、例えとして使われた言葉ですが、何を意味するかというと、「心に負を澱まさない」ことなんです。
つまり「不快感」は、そのままに流していく」、それをためこんだら病気になりますよ、ということなんです。 その日その日で、「不快感」の処理をおこなっていけば、病気にはなりません。

睡眠に気をつける

睡眠のメカニズムを知り、レム睡眠とノンレム睡眠の繰り返しをしり、そこに自分の1日の睡眠をうまく調節することです。
メンタルの病気は、睡眠から始まるといってもいいと思います。個人差がありますが、5時間から8時間の睡眠を心がけましょう。 ただ、睡眠は重要だけど、あまりに厳格にとらわれないのも大切です。

自分に合った行動療法を見つけることが大切です

「パニック障害」ならすべて、薬と「認知行動療法」でよくなるとは思いません。その人に合ったとらえ方があるし、その人の体にあった方法が一番です。
ある「パニック障害」の人で、「断食療法」で完全によくなったこともあるのです。
体の改善で、心身とも安定になり「不安感」もこなくなったのです。